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「日の丸」は白地に紅(赤)で、それはおめでたい色の組合わせだという人がいます。
源氏の白旗は氏神である八幡大菩薩の色、平家の赤旗は朝廷軍(官軍)を示す色です。それで紅白は源平合戦、紅白歌合戦のように対抗する意味合いがあります。 一方、紅白幕、紅白餅のようにおめでたいという意味も確かにあります。合戦がおめでたいはずがありませんから、日本では矛盾したイメージを全く矛盾と感じないで双方とも自然に受けとめています。 おそらく同じ紅白でも起源が異なるのでしょう。しかし、今日では紅白歌合戦や紅白対抗試合はいくら双方が真剣に渡り合っても基本は親善大会ですから、紅白をわたしたちは「おめでたい色合い」だと普通に思っています。 結婚式などおめでたい席で金一封を渡す袋には紅白の水引が使われます。水引の起源は“――遣隋使の小野妹子が帰朝した時、随から朝廷への贈り物に紅白の麻紐が結ばれており、それから宮中での献上品は紅白の麻紐で結ぶ習慣が広がるようになった――”と水引製造会社のHPに書かれていましたが、この説はあまり信じられません。 中国では赤(紅)だけでおめでたい意味を表します。商売繁盛、家内安全、魔除け、無病息災、幸運などを赤一色で示します。 中国・台湾・香港の結婚式などの祝儀袋は赤一色で、幸運を祈願する決まり文句が金文字で示されています。赤と金がおめでたい色で、赤白ではありません。 中華街や中華料理店では紅地に金(黄)文字をよく見かけます。中国の国旗も赤地に金の星です。 北京オリンピックも赤と金にあふれていました。 中国で赤は慶事、白は弔事の色です。(日本でも白は死装束の色であり、喪服も白でした)ですから、紅白でおめでたいという意味を表すことはできません。 NHKの紅白歌合戦は中国でも放映されますが、結婚式と葬式の歌合戦という意味不明のタイトルになってしまいます。赤が女性で白が男性という区分けも理解不能のようです。陰陽五行説では男は赤、女が青で示します。 ですから随の使者が紅白の麻紐で献上品を結んでいたという話は「本当かな」と思ってしまいます。本当は紅白ではなく紅一色の紐であったとのではないでしょうか。水引は昔は「くれない」と呼ばれていたそうです。 一説によると海外輸出品には白いヒモでくくって他と区別したとあります。 すると随の使者の贈答品には、贈答用の赤いヒモと輸出用の白いヒモとで結ばれていた可能性はあります。 それを倭国の人々が「贈答には紅白」と勘違いしたという説なのですが、その真偽をわたしはしりません。 「くれない」と呼ばれたもっとも由緒正しく歴史が古い水引は今では皇室御用達専用のようです。画像:http://sousaku-mizuhiki-okuno.com/?mode=f7 ところが実物は紅白ではなく黒白の水引です。 黒く見える部分は良く見ると深緑色をしています。触れると指の湿気で色が指に移り「紅色」になります。 もしも「紅色」になるから「くれない」なのだとすると、紅白であるよりも一見すると黒白であるほうが由緒が正しく、紅白はその簡易版だといえます。 じつは葬式専用の幕だと思っている黒白幕(鯨幕)は紅白幕よりも歴史が古く、由緒正しい幕です。 数年前、皇室の女性が民間の男性と結婚するという慶事がありました。この時に宮内庁が用意した幕は黒白幕でした。 伏見稲荷、上下加茂神社、出雲大社など歴史の古い神社も祭事には黒白幕を張ります。 黒がおめでたい最高の色であるのは、すべての色を含んだ玄妙な色であるからで、漢の時代の中国皇帝の礼服がこの色でした。 「くれない」も一見すると黒なのだけれど、良く見ると緑色(陰)を含み、手に触ると赤く(陽)なるという点でまさに玄妙な色合いで、最高位の水引であるゆえんです。 おそらく黒白の「くれない」水引とこの黒白幕は同じ起源を持つものでしょう。 紅白が「おめでたい」配色になったのは「ある時期」(たぶん江戸時代)からであって、「ずっと昔から」ではありません。 「白地に赤い日の丸はおめでたい色」という解釈は現代の解釈であって、歴史的には正しくありません。
by hangeshow
| 2008-09-18 16:32
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